ホーム > キャリア・生き方 > 認められたかった。最初は、それだけだった。
2026/06/08
一人前になりたかった頃の話
「認められたいなんて、言っていられない。」
管理職になるほど、自分の気持ちに蓋をすることが増える。 「認められたい」という気持ちも、そのひとつだ。
私も長い間、そんな気持ちは持たない方がいいと思っていた。
■ そこにいるのに、仕事の中心にいない
入社した頃、仕事の多くはお茶くみとコピー取りだった。自分ならではの仕事がしたくて、強くアピールしてマーケティング室の先輩についた。でも、そこでも最初は「伝書鳩」だった。
マネージャーや調理長と話す機会はあった。でも、私は"話している"感覚がなかった。自分の言葉ではなかったからだ。先輩の指示を届け、回答を持ち帰るだけ。そこにいるのに、仕事の中心にいない。認められていない感覚だけが、静かに積もっていった。
「私じゃなくてもいい仕事なんだ」。そんな気持ちが、どこかにあったのかもしれない。
■ 自分の言葉で話せた日
転機がいつだったか、はっきりとは覚えていない。ただ、あるときから変わっていた。先輩の言葉をそのまま届けるのではなく、自分の中で一度噛み砕いて、自分の言葉で伝えるようになっていた。
次のフェアのこと、メニューのこと。現場の人と仕事の中身について話せるようになったとき、何かが少し、変わった気がした。少しずつ仕事を任せてもらえるようになって、ようやく気持ちが楽になっていった。
「認められた」というより、「自分の言葉を持てた」という感覚に近かったと思う。
今振り返ると、私はただ「認められたかった」のではなく、「一人前になりたかった」のだと思う。
誰かに褒められたいというより、自分で考えて、自分の言葉で提案できる自分になりたかった。たぶん、あの頃の私は、そうなりたかったのだと思う。
「認められたい」は、当たり前の気持ちだ。おかしくも、弱くもない。
「認められたい」という気持ちを否定しようとするより、「認められたいからこそ、何のために動くか」を問いにする方がずっといい、と今は思っている。「もっと役に立ちたい」「ちゃんと任されたい」、そんな気持ちが根っこにあるからこそ、次の一歩を動かしていた気がする。
その気持ちは、消すものじゃない。うまく付き合いながら、前に進むためのエネルギーにしていけばいい。今は、そんなふうに思っている。
あなたの「認められたい」という気持ちは、今、どこへ向かっているだろうか。
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谷藤 光優(たにふじ みゆ)
国家資格キャリアコンサルタント / Gallup認定ストレングスコーチ / ライフオーガナイザー
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