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2026/07/06
正確さと、届くことは別のことだった
昔、フライヤーをつくっていたころ。
ホテルのレストランで使うチラシや、季節のフェアのフライヤーを作る仕事も担当していた。あるとき、若手デザイナーさんに、こんなお願いをした。
「漢字やひらがなと比べて、数字やローマ字が小さく見えるから、同じ大きさにしてほしい」
返ってきた言葉は、「同じQ数です」。
Q数。文字の大きさを表す単位。機械的には、確かに同じだった。
でも、私には小さく見えた。その感覚が、どうしても消えなかった。
「一度試してもらえますか」とお願いした。
少し時間がたって、修正したものを持ってきてくれた。「言っていることがよくわかりました」と言ってくれた。
どちらも間違っていたわけじゃない。機械的には同じQ数。それは本当のこと。
ベテランのデザイナーさんは、何も言わずに、その違和感を見越して調整していた。
そのことに気づいたとき、少し静かな気持ちになった。経験というのは、そういうことなのかもしれない。
正しいことが、正しいわけじゃない
管理職になってから、このことをよく考えるようになった。
同じ言葉をかけても、届く人と届かない人がいる。同じ評価をしても、受け取り方は人によって違う。正論を言っているのに、なぜか伝わらない。
機械なら、同じ入力には同じ結果が出る。でも人間は違う。正しいことが、正しく届くとは限らない。
だから私は、数字や基準だけじゃなく、相手がどう感じるかをいつも気にしていたい。それはデザインも、マネジメントも、きっと同じだと思っている。
あの日、「同じQ数です」と返ってきた言葉を、今でも時々思い出す。
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谷藤 光優(たにふじ みゆ)
国家資格キャリアコンサルタント / Gallup認定ストレングスコーチ / ライフオーガナイザー
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