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2026/08/17
真似することと、なろうとすることの違い
若い頃、私には憧れの先輩がいた。
頭の良さ、豊富なアイデア、幅広い知識。有名な方との接し方も上手で、英語もそこそこできた。仕事への姿勢そのものが、私にとっての目標だった。「この人みたいになりたい」。ただそれだけを思って、無我夢中で働いていた。
まだ主任にもなっていなかった頃から、その気持ちは変わらなかった。先輩から教わったことを、そのまま後輩にも伝えていた。指示の出し方も、求める水準も、口調さえも。厳しいとは思いつつ、それが正しい伝え方だと信じて疑わなかった。
ついてこない後輩がいると、「できない人」だと思った。同時に、「私じゃダメなのかもしれない」とも思った。伝えているつもりなのに、伝わらない。その理由が、当時の私にはまるで見えていなかった。
真似では、届かなかった
大阪への転勤で、すべてが変わった。
周りに誰も知り合いがいない場所で、ゼロから人間関係を築くしかなかった。そこで初めて気づいたことがある。私は、先輩上司の真似しかしてこなかった。
自分の考えなど、どこにもなかった。
先輩上司と私は、同じ人間ではない。
それなのに、同じようにやろうと無理をしていた。
頭の良さも、アイデアの豊富さも、あの人だったから成立していたもので、私が同じ型にはめようとすれば、うまくいかないのは当然だった。
真似ることは、悪いことではない。
ただ、真似だけで終わっていたら、それは自分の言葉にはならない。
ついてこない後輩がいたのは、後輩ができなかったからではなく、私の言葉が、私自身のものではなかったからかもしれない。
大阪に来て1年後、私は課長代理になった。
真似することをやめて、自分の言葉で伝えられるようになった頃、後輩との関係も少しずつ変わっていった。
今、誰かのやり方をそのまま伝えようとしている人がいたら、一度立ち止まって聞いてみてほしい。それは、自分の言葉になっているだろうか。
憧れた人の背中を追いかけることと、その人になろうとすることは、同じようでいて、実は違うのかもしれない。
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谷藤 光優(たにふじ みゆ)
国家資格キャリアコンサルタント / Gallup認定ストレングスコーチ / ライフオーガナイザー
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