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2026/10/12
言いにくい役を任された日
大阪のホテルにいた頃、ジャズのライブイベントがあった。
ライブの最中に、大きな声で話しているお客様がいた。
ボーカルの方から紹介されて、何度か会っている人だった。
その日も、ボーカルの方がライブに誘い、私がお店に連絡を入れていた。お店にも何度か来ていて、スタッフの2〜3人も知っている人だった。
そのとき、スタッフから言われた。
「谷藤さん、周りの方からも言われていて……。注意してください」
えっ? 私? 何で?
私が紹介した知り合いだけど、レストランのお客様だよね?
言っても良いけど、自分たちで言わない? 言えない?
レストランで言わないで私に言ってきたなら、自分たちで言いたくないんだな、と思った。ちょっとズルいというか、モヤッとした。
私が言ったほうが丸く収まると思ったのかもしれないけれど。
でも、そこであ〜だこ〜だ言ってもしょうがない。
「すみません、今、歌っているので……」
確か、そんな感じで声をかけたと思う。
ライブが終わって、会計のあと、私が挨拶をしたときだったと思う。
そのお客様が突然、人が変わったように大声で怒鳴り始めた。
酔っていたこともあって、「何だ、お前、人が話してるのに話すなって、どういうことだ、謝れ!」みたいな感じだったと思う。もうずいぶん前のことだから、詳しくは覚えていない。
周りには、スタッフもお客様もいた。
酔っている人に、何を言ってもダメだ。謝るしかないと思った。
「それも役割かな」と思った
お客様が帰ったあと、スタッフから声をかけられた。
「ありがとう」だったか、「悪いなぁ」だったか。はっきりとは覚えていないけれど、そんな感じだった。
そのとき、それも役割かな、と思った。
当時、確か私は課長だったと思う。マーケティング部門は、現場にあ〜だこ〜だ言うことが多い。言うだけの人では、信用も信頼もない。
こういうことも、ちゃんと責任を持ってできる。それが役割なのかな、と。
そのあと、レストランのスタッフとの関係が何か変わったかというと、変わらなかったかもしれない。
でも逆に、そのお陰で変わらなかったのかもしれない。
もしあのとき、断っていたら。謝らなかったら。
言いにくい役を任されて、モヤッとすることはある。
そんなときは、断ったあとの自分を考えてみてほしい。
断っても、自分で何も思わないなら、それで良いんじゃないかな。
絶対に何も思わないなら、ね。
あなたなら、断ったあと、何を思うだろう。
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谷藤 光優(たにふじ みゆ)
国家資格キャリアコンサルタント / Gallup認定ストレングスコーチ / ライフオーガナイザー
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