ホーム>ブログ>働き方・キャリア>「大丈夫です」の、その先に。
2026/09/14
踏み込めなかった、あの日のこと
ホテルで管理職として働いていた頃、他部署にひとりの女性がいた。
マーケティングの仕事でレストランを担当していた私は、担当部門でもなく、部署も業務も違う。
彼女は、あるときマネージャーになった。
それから、耳に入ってくる話や、いつも遅くまで仕事をしている様子から、どこか辛そうだと感じていた。
気になりながらも、しばらくは何もできずにいた。
ある日、たまたま顔を合わせたので、さりげなく声をかけてみた。
「大変じゃない?大丈夫?」大したことは聞けなかったと思う。
でも、彼女から返ってきたのは、はっきりとした「大丈夫です」というひと言。
聞き方も悪かったと思う。まるでシャッターを下ろされたような、そんな感覚が今も残っている。
「大丈夫です」と言われてしまうと、それ以上は踏み込めなかった。
部署が違う。
担当でもない。
人に関わることは、私の仕事の範囲ではない。
そう自分に言い聞かせて、そのままにした。
本当は、もう少し何かできたんじゃないか。
そんな思いだけが、ずっと胸のどこかに残っていた。
頑張り屋さんだったから
今振り返っても、彼女が本当に大丈夫だったのかどうか、私には分からない。
弱っているところを見せたくなかったのか、頼りたくなかったのか。
頑張り屋さんだったから、というのは今の私の想像でしかなくて、本当のところは今も分からないままだ。
もし今の私だったら、少しだけ違う関わり方ができたかもしれない。
「助けてあげる」というのではなく、「私も、同じような経験をしてきたから」というふうに、自分の経験を少しだけ話してみる。
答えを渡すのではなく、話せる余白をつくる、という関わり方。
部署や立場が違っても、それくらいのことはできたかもしれない。
あのとき、それができたかどうかは分からない。
声をかけても、届かないことは今でもあると思う。
それでも、「大丈夫です」をそのまま答えとして受け取らなくてもいいのかもしれない。
その先に、まだ聞けることがあるかもしれないから。
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谷藤 光優(たにふじ みゆ)
国家資格キャリアコンサルタント / Gallup認定ストレングスコーチ / ライフオーガナイザー
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